FXのデイトレードとは?短期間で売買するメリットや注意点を解説!

2022/7/22

数十分や数時間単位で1日の間に取引を終える「デイトレード」ですが、「デイトレードは難しい」「取引のタイミングが分からない」といった先入観を持っている方もいるのではないでしょうか。特にFXの取引をしたことがない方にとってはイメージが湧きづらいでしょう。

デイトレードはFXのトレードスタイルの中でも、短期取引に分類される手法です。取引に拘束される時間が短いため、初心者にも取り組みやすい面があります。

本記事ではデイトレードについて、他のトレード手法との違いやメリット、注意点などを詳しく解説していきます。

そもそもFXとは?という方はこちらをご覧ください

FXにおけるデイトレードとは?

FXは為替相場を予測し、通貨の売買を行うことで利益につなげる投資方法です。通貨を売買する手法にはさまざまな種類があります。

デイトレードとは数時間から1日の短期間で取引を完了するトレード手法

デイトレードとは、保有するポジション(新規で注文を出し、決済せずに保有している状態)を当日中に決済する方法です。たとえば「買い」ポジションを保有している場合には、売り注文をその日のうちに出します。なお、デイトレードにおける当日中とは「日本時間で日付が変わるまで」ではなく、一般的にNY為替市場が終了する午前6〜7時頃までの期間を指します。

1日の間に複数回の取引を行うことが多く、1回のポジション保有時間は数十分から数時間と様々ですが、長期間ポジションを保有することがないため、夜間に雇用統計や消費者物価指数などの相場状況に関わる重要な経済指標が発表され、寝ている間に為替レートが急変して大きな損失が発生するといったリスクを避けることができます。

また、FXにはスワップポイントと呼ばれる仕組みがあります。スワップポイントとは、高金利通貨と低金利通貨の間のスワップ(交換)金利のことです。二通貨のうち高金利通貨を買い低金利通貨を売った場合はスワップポイントを受け取り、低金利通貨を買い高金利通貨を売った場合は、スワップポイントを支払うことになります。

スワップポイントは原則ロールオーバー(未決済のポジションを翌営業日に持ち越す)する度に発生しますが、デイトレードであれば基本的に日をまたいでポジションを保有することはありません。そのため、通常であればスワップポイントを支払わなければならない取引をしている場合も、その影響を受けにくくなります。

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上昇するチャートを追いかける男性

デイトレードと他のトレード手法との違い

FXにおけるトレード手法は、新規の注文から決済までの期間の長さに応じて分類されます。それぞれデイトレードとはどのような違いがあるのでしょうか。

スキャルピング

スキャルピングはデイトレードと同じ短期取引に分類されますが、さらに短い期間で取引を完結させるトレードスタイルです。1回の取引時間は数秒から数分、1日の間で数十回のトレードを重ねることもあります。

相場状況に合わせて柔軟に売買できるため、損失を抑えつつ利益を積み上げられるのが特徴です。その反面、どのタイミングで決済をするのかを瞬時に決めなければなりません。タイミングを間違えると損失を出し続けてしまうこともあるでしょう。また、取引の都度スプレッドが発生するため、その分のコストを考慮したトレードをしなければなりません。スキャルピングは、全体的に上級者向けのトレードスタイルです。

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スイングトレード

スイングトレードはデイトレードよりもポジションの保有期間が長めです。数日から数週間ポジションを保有するため、取引の回数はデイトレードに比べて少なくなります。

短期の値動きをさほど気にする必要がなく、腰を据えてトレードに取り組むことができます。相場を的確に予測できれば、大きな利幅も狙えるトレードスタイルです。

一方で、比較的長期にわたってポジションを保有する分、相場が急変動した場合の影響を受けやすくなります。

スイングトレードでは、中長期的な目線で「トレンド」と呼ばれる相場の方向性に沿った取引をするのが基本です。そのため、為替の値動きをグラフ化した「チャート」をもとに、値動きの傾向やパターンを把握して、将来の価格を予想していく「テクニカル分析」が必要となります。

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FXのデイトレードのメリットや注意点

ここからはデイトレードのメリットや注意点を解説します。デイトレードの特徴をよく理解したうえで、自分に合った取引手法かどうか判断しましょう。

デイトレードのメリット

デイトレードのメリットは主に三つあります。

一つ目は、1日に何度も取引を行うことがあるため、資金効率がよい点です。デイトレードでは、取引に成功すれば、1日のうちに何度も利益を積み重ねられます。得た利益を次の取引に回すことで、最初は元手が少なかったとしても、短期間で資金を増やせる可能性があるのです。レバレッジを利用することで、さらに資金効率を高められます。

二つ目は、トレード1回あたりのリスクが小さい点です。デイトレードはその日のうちにポジションを決済するため、損失は最大でも1日で動く値幅の範囲内となります。通貨ペアや時間帯によっては、数分〜数時間の取引の場合、大きな値動きが生じないこともあるため、1回のトレードのおけるリスクは小さい傾向にあるといえます。

取引数量を最小限に抑えれば、さらにリスクを小さくすることも可能です。一般的に最小の取引単位を1,000通貨または1万通貨としているFX会社が多い中、松井証券 FXでは最小1通貨から取引を始められます。

ただしリスクとリターンは比例するため、一度に大きな利益を期待することはできません。デイトレードは1回で大きな利益を狙いたい方には不向きです。

三つ目は拘束時間が短い点です。デイトレードは一日中チャートを見続ける必要はありません。朝や仕事の後など空いている時間に戦略を立てて、事前に注文を入れておけば、本業中は仕事に集中できます。あるいは、一般的に市場での取引が活発になる、日本時間夕方以降の時間帯のみの取引に絞る戦略もあります。ポジションを翌日に繰り越さないため精神的な負担も少なくなります。

世界各地のトレード

デイトレードの注意点

デイトレードにおいては自分の中でルールを決めて取引をすることが重要です。特に、損切りのタイミングには気を付けなければなりません。損切りとは、予想と反対の動きとなり評価損が生じた際に自分の決めた損切りルールに則り損失を確定するトレードのことです。デイトレードでは、相場を読み間違えると、1日何度も取引することもある分損失が広がりやすい特徴があるため、素早い損切りが重要になります。

ルールを決めて取引をしないと、ポジション管理や売買の手法が改善されず、継続的に利益を出すことが難しくなるでしょう。

また、デイトレードの基本は「トレンドについていく」ことです。チャートの動きは大まかに、上昇トレンド・下降トレンド・トレンドなしの3つに分類されます。チャートを分析したうえで、トレンドが判断できない日や、大きなイベントでトレンドが変わりそうな日にはトレードを控えるという判断も重要です。なお、参考にするチャートは日足や時間足といった時間軸よりも60分足や30分足といった時間軸のチャートを参考にすると良いでしょう。

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初心者はデイトレードでリスクを抑えながら取引経験を積もう

外貨が上がり喜ぶ男性

デイトレードはトレード1回あたりのリスクが比較的小さい取引手法です。拘束時間も少なく済むため、スキマ時間を使い効率的に取引することができます。

一方で、損切などのルールを決めて取引をしなければ、取引回数が多い分、損失が大きくなる可能性もあります。

初心者の場合、まずは少額から取引を始めてみましょう。リスクの小さい少額から取引を始めれば、腰を据えてチャート分析や注文方法を練習できます。特に、取引量が多く、比較的値動きが安定している「米ドル/円」の通貨ペアでデイトレードを始めてみることをおすすめします。

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<監修者>

川口一晃

<プロフィール>

1986年銀行系証券会社に入社。銀行系投資顧問(現・三菱UFJ国際投信)や三洋投信で11年間ファンドマネージャーを務める。2004年10月に独立してオフィスKAZ代表取締役に就任。テレビ番組やラジオなどメディア出演は多数。現在、FMナック5「お金の世界の歩き方」でパーソナリティを務める。「SMAP×SMAP」では木村拓哉氏とも対談。著書も多数。また、テレビ朝日のドラマ「アイムホーム」をはじめ、フジテレビの月9のドラマの監修も担当。行動経済学学会会員。

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