FXでよくある失敗とは?5パターンの失敗例と回避するための対策

2022/4/22

FXに対して「ハイリスク」や「失敗すると資金を失う」といったマイナスイメージを持っている人は少なくないでしょう。失敗するのが怖くてなかなか取引を始められない方もいるのではないでしょうか。しかし、実際はいくつかのポイントを押さえれば、FXで大きく損をする可能性を下げられます。

本記事ではFXでの失敗を避けるための対処法について、具体的な失敗事例を交えながら解説していきます。

そもそもFXとは?という方はこちらをご覧ください

FXの失敗とは

FXで失敗した男性

少ない自己資金でも大きな利益を狙えるのがFXの魅力ですが、損失を出してしまうケースも少なくありません。FXでの失敗とは具体的に何を指すのでしょうか。

FXの口座に入金したお金は「証拠金」と呼ばれ、この証拠金を元手に通貨の売買を行います。FXにおける失敗とは、主に「ロスカット」により証拠金を大幅に失うことを指します。

買い注文または売り注文を出した後、決済せずに保有している通貨ペアを「ポジション(建玉)」といいます。ロスカットとは、損失が一定の水準に達した際に、さらなる損失拡大を防ぐため保有しているすべてのポジションを強制的に決済するルールです。損失を一定額に抑えられるメリットはあるものの、ポジションを手放すことになるため、その後、相場状況が好転したとしても利益を得られなくなります。

挽回するためには新たにポジションを建てなければなりませんが、もし証拠金が不足した場合は、口座へ追加の入金が必要になります。追加できる資金がない場合には取引自体をやめざるを得なくなるケースも生じてしまうでしょう。

十分なお金を口座へ入金すれば、一時的にロスカットを逃れポジションを持ち続けることはできます。しかし、相場が予想と反対方向に動き続ければ、評価損失が大きくなり、結果として資産を大きく減らす可能性があるため、注意が必要です。

また、国内外で予想外の事件などが起こり、急激に為替相場が変動した場合には、ロスカットが変動スピードに間に合わないことがあります。証拠金がマイナスになるケースもあり、マイナスを解消するために入金をすることになってしまいます。

FXの失敗例と対策

FXで失敗するのを避けるためには、取引で発生するリスクを正確に把握するのが重要です。FXでよくある失敗例と、初心者でもできる対策方法について説明します。

FXの失敗例

①損切りできない

損切りとは、自分の予想と反対方向に相場が動いたときに、決済して損失を確定させることを指します。損失の拡大を防ぐのに有効な手段ですが、特に初心者の場合は「損切りせずに持ちこたえれば、そのうち状況は良くなるかもしれない」と考え、損失を確定させるのに抵抗を感じる人もいます。

基本的な対策としては、損切りの「ルール」を決めるのが効果的です。たとえば、取引1回あたりの最大損失額を証拠金の2%以内に収める、と決めるのもよいでしょう。特におすすめなのは、事前に損切りを設定できる「逆指値注文(ストップ注文)」を活用することです。あらかじめ、現在のレートより「値上がりしたら買う」または「値下がりしたら売る」注文を入れておくことで、感情を排除して自動的に決済を行えます。

FXの逆指値注文とは何ですか。(Q&A)

②レバレッジをかけすぎる

レバレッジとは、手元にある資金よりも大きな金額の取引ができる仕組みです。たとえば米ドル/円の取引で1ドル=100円のときに、1万通貨(100万円分)の取引をしたい場合には、通常100万円が必要になります。しかし、10倍のレバレッジをかけると10万円用意すれば取引可能となるため、FXの大きな魅力の一つとなっています。

レバレッジは国内のFX会社では25倍まで設定(個人口座の場合)でき、取引量を増やしレバレッジが高くなるほど得られる利益は大きくなりますが、損失も大きくなるのがリスクです。高いレバレッジの取引では、余剰金が少ないため相場が少し予想した方向と逆に動いただけでもロスカットが執行される可能性が高まります。

初心者の場合はリスクをふまえて、低いレバレッジから取引を始めるのが無難です。松井証券では4種類のレバレッジ率を選べるため、取引に慣れてきたら最大レバレッジを少しずつ上げていくのもよいでしょう。

③気分に任せて頻繁に不要な取引を行う

FXは24時間取引が可能なため、常に利益を出すチャンスがあります。チャンスを逃さないように常にポジションを持とうとする状態を、「ポジポジ病」と呼ぶこともあります。

しかし根拠なくポジションを持った結果、相場状況を考慮しないトレードとなってしまい、損失ばかりが増えていくことがあります。継続して利益をあげるためには、マーケット情報を収集・分析し、相場のトレンドが読めないときは取引をしないのも重要です。不要な取引をしないためにも、あらかじめポジションを持つ条件を決めておくのがよいでしょう。

④さまざまな通貨に手を出している

FXではさまざまな通貨ペアを取引できますが、興味本位で同時に多くの通貨ペアで取引を行ってしまうと、十分にポジションの管理や情報収集ができず、売買のタイミングを逃してしまうこともあります。

チャートが暴落している図

通貨ペアはなるべく絞って取引するのがおすすめです。通貨ペアの性質を理解したり、適切なタイミングでの売買ができたりするようになるには、特定の通貨ペアで経験を積むことです。特に初心者には、取引に関する情報を集めやすいうえ、取引量が多く値動きも安定している米ドル/円の取引がよいでしょう。

⑤スワップポイント狙い

スワップポイントとは、2国間の金利差によって発生する利益を指します。具体的には、2通貨のうち高金利の通貨を買い、低金利の通貨を売った場合に、スワップポイントが受け取ることができます。為替レートの変動を利用した為替差益以外にも、スワップポイントによって利益を得られるのはFXの魅力の一つです。

しかし、スワップポイントのみに注目して取引を続けると、相場が悪い方向に動いたときに為替差損が大きくなり、スワップポイントの利益以上に損失が発生する可能性があります。
特に通貨の金利が高い国は政治や経済の情勢が不安定なためケースもあり、急激に為替相場が変動するカントリーリスクが高い場合があります。

スワップポイントを狙う場合は、為替が大きく動くことも想定して、低レバレッジで運用しておくのがよいでしょう。レバレッジを低くしておけば、ある程度価格が変動してもロスカットされにくくなります。

失敗を防ぐ方法

小手先のテクニックだけではなく知識や経験を積むことが、FXでの失敗を防ぎ、利益を伸ばす鍵となります。常日頃から取引についての勉強や情報収集を怠らないようにすることで、相場の方向性を予測しやすくなるでしょう。

また、自分の実力以上のレバレッジをかけず、少額の取引数量でトレードをするのも重要です。取引数量を多くしたり、レバレッジを高くしすぎたりすると損失が大きく膨らむ可能性があります。一度の失敗で資金がなくなってしまうと経験を積むこともできません。

後悔しないトレードを行うためには、取引状況を振り返るのも効果的です。「なぜこのタイミングでポジションを持ったのか」「なぜルールを守れなかったのか」などを細かく分析し、次の取引に活かすことで、徐々にトレードのコツをつかめるようになってくるでしょう。

チャートの遷移を解説する男性

FXで失敗しないコツはルールを決めること

FXでの「失敗」の定義や、具体的な失敗事例から考える対処法について説明しました。

ロスカットを避け、大きく資金を減らさないようにするのがFXのポイントです。利益を得ることばかりに目を向けてしまうと、どうしてもハイリスクな取引を行ってしまうことになります。たとえ一定期間勝率が高かったとしても、たった1回の取引で大きな資金を失い、トータルではマイナスになっては取引を続けにくくなってしまいます。

したがって初心者の場合は、一定のルールを決めて取引するのがおすすめです。損切りルールや通貨ペア、取引タイミングなどについて無理のない設定を考えてみましょう。FXでは知識や経験があると有利になるケースがほとんどです。常日頃からトレードに関する情報収集や取引を記録するといった行動を積み重ねておくことが重要です。

<監修者>

木村佳子

<プロフィール>

一級FP技能士(国家資格)。NPO法人 日本FP協会上級資格CFP。IFTA国際テクニカルアナリスト連盟最上位資格MFTA®の日本で最初の女性取得者。早稲田大学大学院ファイナンス研究科専門職MBAファイナンス修士。日本ベンチャー学会。日本IR学会。生活経済学会。消費者行動学会正会員。YouTube 「木村佳子チャンネル」で資産運用情報を発信中。

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