FXのレバレッジとは?計算方法と初心者が取引するときのポイント

2022/4/22

FXを始めるための方法を調べていると、必ずといってよいほど目にするのが「レバレッジ」です。FXで取引をしたことがない人の場合、なじみがなくわかりにくさを感じるでしょう。

レバレッジはテコの原理のことです。FXで利益を上げるためにはレバレッジをうまく活用することが重要になります。

本記事ではFXにおけるレバレッジの仕組みや、取引を行ううえでの注意点について説明します。

そもそもFXとは?という方はこちらをご覧ください

FXにおけるレバレッジとは?

FXでのレバレッジとは何を指すのか、またどのように決まるのかについて、レバレッジの具体的な計算方法を含めて説明します。

FXレバレッジについてを示した図

レバレッジとは証拠金の何倍もの金額を取引することができる仕組み

FXでは、証拠金と呼ばれるお金をFX会社に預けることで、少ない資金でも大きな金額の取引ができる仕組みがあります。一般的に、この仕組みはテコの原理を意味する「レバレッジ」と呼ばれます。外貨を取引する点でFXと似ている外貨預金には、レバレッジの仕組みはありません。

たとえば米ドル/円で、1米ドル=100円のときに取引を行うケースを考えてみましょう。1万米ドル(日本円で100万円)の取引をする際には、レバレッジを考慮しない場合、100万円を証拠金として入金する必要があります。一方レバレッジが10倍の場合は、100円×1万米ドル÷10=10万円を証拠金として入金すれば1万ドル分の取引ができるため、必要資金を抑えられます。この資金効率の良さがFX取引の魅力の1つです。

個人口座の場合、日本国内のFX会社では最大25倍のレバレッジをかけることが可能です。ただし、高いレバレッジをかけることにより、取引量が大きくなることから期待できる利益が大きくなる反面、損失も大きくなる可能性があるため注意が必要です。

FXのリスクについて教えてください。(Q&A)

たとえば10万円の証拠金で米ドル/円を取引する場合を考えてみましょう。1米ドル=100円のとき、10倍のレバレッジであれば100万円分、20倍では200万円分の取引ができます。

10倍のレバレッジをかけている図

もし為替レートが1米ドル=100円から1米ドル=105円まで上昇すると、1万米ドルの取引の場合(105円-100円)×1万米ドル=5万円分の利益が得られます。2万米ドルであれば10万円分の利益です。しかし、反対に1米ドル=95円と円高になった場合1万米ドルの取引の場合は5万円分、2万米ドルの場合は10万円分の損失が出てしまいます。 レバレッジを多く効かせて取引量を増やすことで、利益だけでなく損失もその分大きくなることを理解することが必要です。

レバレッジの計算方法

レバレッジは取引数量と預け入れている証拠金の関係によって決まります。以下が具体的な計算方法です。
レバレッジ=(現在の為替レート×取引数量)÷証拠金

たとえば、1米ドル=100円で1万通貨取引する際に、口座へ証拠金として4万円預け入れたケースでは、以下のように計算ができます。

(100円×1万米ドル)÷4万円=25倍

つまり、レバレッジは25倍です。

なお松井証券では、1倍、5倍、10倍、25倍の4種類のコースから自身の投資スタイルに合わせて最大レバレッジを選べます。

【関連ページ】松井証券 FX 選べるレバレッジ率

レバレッジをかけたFX取引のポイントは?

これからFXを始める場合には、レバレッジを使うリスクを把握したうえで取引をすることが大切です。レバレッジを利用した取引で気をつけるべきポイントについて説明します。

証拠金は多めに預ける

FXには損失を一定額に抑えるためのロスカット機能があります。損失額が一定の水準に達したときに、すべてのポジションを自動的に決済することで損失を確定させるというものです。取引資金を大きく失うリスクが低くなる代わりに、強制的に決済されるため、その後相場状況が回復したとしても恩恵を受けることはできません。

ロスカットは、FX会社が定める証拠金維持率を下回った場合に執行されます。証拠金維持率とは、どのくらいの割合で証拠金を維持しているかを表した数値で、以下の式で求められます。

証拠金維持率(%)=証拠金÷必要証拠金×100

証拠金とは、口座に入金したお金に損益を反映したものです。たとえば口座に100万円のお金を入れて20万円の評価損失が出ている場合、証拠金(純資産)は80万円となります。

必要証拠金とは、通貨を取引するために必要な資金です。たとえば1米ドル=100円のときに1万米ドルを取引するときの必要証拠金は、レバレッジを考慮しない場合100万円です。

仮に証拠金が80万円、必要証拠金が100万円となっているケースを考えると、証拠金維持率は80%です。損失が出ると証拠金が減るため、証拠金維持率も低くなりロスカットが行われる可能性が高まります。

ロスカットが発生するのを防ぐためには、まずロスカットが行われる証拠金維持率のラインを確認することが重要です。各社で設定されている数値は異なります 。松井証券では50〜90%の範囲内で、10%刻みで任意のロスカット率を設定することが可能です。

また、一定の証拠金維持率を下回った段階で証拠金の追加入金(追証)を求められるケースがあります。FX会社が指定する期日までに追加入金できれば問題ありませんが、入金が確認できない場合はロスカット同様に、全てのポジションが強制決済されてしまいます。松井証券では、リアルタイム維持率が100%を下回る(取引日ごとの取引終了時点)と翌取引日の15:00までに追加証拠金(追証)の入金が必要 です。

口座にお金を多めに預けておくのはロスカットや追証を防ぐ手段としては有効といえるでしょう。多めに入金しておけば証拠金維持率に余裕が持てるため、多少相場がマイナス方向に動いて損失が出たとしてもポジションを持ち続けられるでしょう。必要証拠金を上回る額を入金しておくと安心です。

初心者は低レバレッジから始める

証拠金を多めに預けるのが難しいときには、レバレッジを低くして取引を始めるのも有効な選択肢の一つです。レバレッジの倍率を上げた取引は、手元の資金に余裕がなくても大きなリターンを得られる可能性がある反面、リスクも高くなるため、大きな損失を出してしまうおそれがあります。初心者の場合、一度の失敗で資金を失ってしまう可能性もあり、安易に高いレバレッジで取引するのはおすすめしません。

レバレッジをかけるときはメリットとデメリット両方を把握しよう

メリットとデメリットを天秤で示した図

FXにおけるレバレッジの基本的な仕組みや、レバレッジをかけた取引を行う際に押さえておくべきポイントについて説明しました。

レバレッジを活用することで大きな金額の取引にチャレンジできるのは、FXの魅力の1つです。投資に回せる資金が少ない場合でも大きな利益を狙えます。

しかし、メリットだけではなくデメリットにも目を向けることが必要です。高いレバレッジでの取引は相場変動の影響を大きく受けるため、ロスカットや強制決済によって一気に資金を失うリスクもあります。特に初心者の場合、慣れるまでは資金に余裕を持たせながら、低レバレッジでトレードを行うのがよいでしょう。

<監修者>

木村佳子

<プロフィール>

一級FP技能士(国家資格)。NPO法人 日本FP協会上級資格CFP。IFTA国際テクニカルアナリスト連盟最上位資格MFTA®の日本で最初の女性取得者。早稲田大学大学院ファイナンス研究科専門職MBAファイナンス修士。日本ベンチャー学会。日本IR学会。生活経済学会。消費者行動学会正会員。YouTube 「木村佳子チャンネル」で資産運用情報を発信中。

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